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所信表明

 本市は、平成15年4月の合併後17年目を迎えました。この間、歴代市長のもと、市議会議員のご理解とご賛同をいただきながら、健全な財政運営を維持し、人口減少や少子高齢化対策、働く場の確保、インフラの更新整備、大規模災害への備えや激甚災害からの復旧など、本市が抱える多くの課題や直面した事態に向き合い、限られた財源の中、必要な施策に取り組んでまいりました。その取り組みが結実し、今日の東かがわ市を支えていることは言うまでもありません。
 しかし一方で、多くの市町村と同様、人口減少に歯止めがかからず、少子高齢化がますます加速している現実も受け止めなければなりません。
 これからの東かがわ市を託された私たちが、ともに今を生きる世代のため、そして、次の世代のために、これからの東かがわ市をどう描いていくのか、そのために今、何をしなければならないのか。これまで取り組んできた各種施策の検証も含め、改めて考えていく必要があると感じています。

 

 私は、このたびの市長選挙において「誰もが知っている、ワクワクするまちへ」を東かがわ市新時代構想の基本理念として、その実現を目指して、市政に取り組んでいきたいと訴えてまいりました。今回、市内各地を回りながら、多くの市民の皆様から「うちのまちには何もない」「ここにおっても仕方がない」という声を聞き、まち全体の空気が後ろ向きになっているのではないか、そんなふうに強く感じました。
 この後ろ向きな空気が広がる地域に、人は残ってくれません、来てくれません、まして戻ってきてもくれません。ただ、同様の声は当市よりも生活環境が整っているまちでも聞くことが多々ありました。どんなに物質的に恵まれている環境であっても、結局は自分のまちが好きかどうか、好きになってくれるかどうか。
 「人は少なくなったけど、僕はこのまちが好きだ」「私はこのまちの良いところをたくさん知っている」市民の皆様にそう言ってもらえる、前向きな東かがわ市をつくっていきたい。
 その思いが、「誰もが知っている、ワクワクするまちへ」という基本理念の源となっています。
 このため私は、その実現に向け、マニフェストに大きく5つの柱を掲げました。

 

 1つ目は「誰もが知る、東かがわ市」
 東かがわ市の知名度や魅力の浸透度は県内でも極めて低いと感じています。広く知られていないからこそ、その魅力も知られていません。県内はもちろん、全国で、そして世界で東かがわ市を宣伝し、営業してまいります。
 具体的には、農林水産業団体や商工業団体と協力し、関西圏やアジア圏をメインターゲットとした地域ブランドの「トップセールス」を図り、本市の魅力を発信し、知名度を向上させていきます。また、大学や企業と連携し、情報の整理、共有、受発信、分析ができる「情報戦略拠点」の設置、そして、東かがわ市を誰もが知っているまちにするため、マスメディア、インターネットメディアを通した、「積極的な情報の受発信」に取り組んでいきたいと考えています。

 

 2つ目は「ときめく、東かがわ市」
 人口減少への対策は、緊急かつ最重要課題であります。そのためには若者の割合を増やし、本市の人口構成を若返らせる取り組みが必要です。若者の流出を防ぐ、いったん市外に出ても、また若い人たちに戻ってきてもらえる、ここに帰ってきたいと思ってもらえる、そんなまちづくりを進めてまいります。
 具体的には、保健、医療、福祉、教育など、現在実施している切れ目のない子育て支援は、もちろん継続してまいります。加えて、東かがわの明日を創っていくため「出生祝い金制度の充実」をはじめ、「このまちで子育てしてみたい」と思ってもらえるような施策に全力で取り組んでまいります。
 教育面においては、現在、電子黒板やタブレット端末等を導入し、ICTを活用した環境の整備、学習支援システムや校務支援システムの活用などによる教育の充実を図っていますが、この取り組みをさらに加速させ、子ども達がもっと学習に意欲的に取り組める環境を整え、また、教職員の皆様が子ども達と接する機会の増加につなげる「学校のICT化」に取り組んでいきたいと考えています。
 小中一貫校の開校に向けては、小中9年間を見通した教育計画に沿って、家庭や地域と連携のもと、確かな学力の定着や健やかな体の育成、英語教育や国際理解教育にも力を注いでまいります。
 さらには、安全で安心して学校生活が送れるように、通学路の交通安全対策や防犯対策も強化してまいります。
 また、人口減少や少子高齢化、核家族化などに伴い、希薄化の傾向にある地域のつながりを維持し、さらに強化していくため、現在実施している自治会をはじめとする各種団体への活動支援に加えて、地域コミュニティ協議会を中心として、コミュニティ間の連携を深めるための取り組みを実施してまいります。

 

 3つ目は「かがやく、東かがわ市」
 本市は、全国・県内の平均から見ても高齢者の割合が高く、市民の約2.5人に一人が65歳以上です。前向きなまちをつくるためには、若者だけでなく、東かがわ市の今をつくってきた先人の知識や経験を生かし、世代と世代がつながり、ともに明日に向かって歩んでいくことが大切です。一方で、高齢になると、自動車の運転などに支障をきたし、移動できる範囲が制限されてきます。本市においても、交通事故を未然に防止する観点からも、運転に不安を感じている高齢ドライバーを対象とした運転免許証の自主返納事業も実施しています。このため、高齢者の方々が生き生きとした生活を送ってもらうための支援として、特に「交通手段の確保」に取り組んでまいります。

 具体的には、まず、公共交通施策のビジョンとなる基本計画を法定協議会において策定する予定です。また、高齢者の「健康寿命の延伸」につなげていくため、健康づくりや介護予防、自立支援の強化にも取り組んでまいります。

 

 4つ目は「誇りある、東かがわ市」
 前向きで、活気あふれるまちづくりを進めていくためには、各種産業への支援も必要不可欠であります。このため、商工業団体、かがわ産業支援財団等との連携や、ふるさと就職推進センターを活用した市内企業の「事業継承と人材確保」への支援、変化する社会のニーズに合わせた、「地域ブランドづくり」などに取り組んでいきたいと考えています。
 また、国内外から多くの方が訪れ、観光交流人口の拡大へとつながる観光政策にも取り組んでいきます。

 具体的には、まず、観光資源の魅力や課題を洗い出し、外部の視点からニーズを的確に把握・分析したうえで、観光施策のビジョンとなる基本計画を策定する予定です。あわせて、市観光協会との連携による情報発信や誘客活動を積極的に行い、近年交流を深めている香港や中国からの「外国人観光客の誘致」や、新たに完成する「福栄やまびこ交流センター」を活用した「体験交流型観光」に力を入れていきたいと考えています。

 

 5つ目は「みんなでつくる、東かがわ市」
 前向きな東かがわ市をつくっていくためには、市民・企業・議会・行政、高齢者から子どもまで、みんなでともに考え、みんなで、このまちの未来を考えていく必要があります。これからの東かがわ市をつくっていくのは、この場にいる私たちを含めた市民一人ひとりです。
 市民の皆様が声を届けやすい、そして、政治や行政の考えを市民の皆様と共有できる場を作ってまいります。市民参加型である「東かがわ市民会議の開催」など、市民の皆様の声を受け止めていく姿勢を忘れず、本市が直面する多くの課題について、あらゆる場面を活用し、皆様の声を市政に反映し、時機を逸することなく必要な対策を速やかに実行できるよう、取り組んでまいります。

 

 これら、マニフェストの実現に向けては、今後、本市の基本構想や総合戦略などとの整合を図りながら、より具体的なプランをまとめてまいります。このうち、「出生祝い金制度の充実」と「高齢者や障害のある方々の交通手段の確保」については、特に重点施策に位置づけ、でき得る限り早期実現を目指し、既に、所管課を中心に具体的な制度設計に着手しております。

 

 また一方で、新たな施策に継続的に取り組むためには、財源の確保が必要不可欠であります。このため、財政の健全化の維持を大前提に、中長期的な視点で必要な対策を実行できるよう、東かがわ市公共施設等総合管理計画や各種の長寿命化計画などに基づき、ライフサイクルコストの観点から、インフラの適正な維持修繕や更新に努めることに加え、現在、内部で実施している事務事業のPDCAサイクルの手法等を活用しながら、第三者を交えた行政評価制度を導入し、事務事業の再検証を行ってまいります。費用対効果が低いものについては、慣例にとらわれず順次縮小や廃止を検討し、歳出経費の抑制・削減を図るとともに、歳入面においても、収納率の向上や企業立地の促進に取り組むほか、受益者負担の原則にたち、現状の把握を踏まえて各施設の使用料等の適正化を図るなど、財源の確保につなげてまいります。

 

 新たな令和の時代を迎え、3年後、5年後、そして10年後、市民の皆様が「ここでずっと暮らしたい、住んでいて良かった。」と実感してもらえる「前向きな東かがわ市」を、「誰もが知っている、ワクワクする東かがわ市」をともに創っていくために、若いからこそできる新たな発想で、誠心誠意取り組んでまいります。
 ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

                                東かがわ市長 上村 一郎